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橋本徹 国際基督教大学前理事長/元富士銀行頭取

グローバルビジネス学会の発足に当たって

グローバルビジネス学会の発足を心よりお慶び申し上げます。

今、我が国企業の事業活動は急速にグローバル化しつつあり、グローバルビジネスに役立つ人材が広く求められていることは申すまでもありません。このような中で、グローバル人材の育成を目的のひとつとするグルーバルビジネス学会が設立されたことは誠に時宜を得たものと考えます。

私は、グローバル人材に求められる能力として以下の3つを強調したいと考えます。

まず第一は、発信力(コミュニケーション力)です。今や、英語が事実上の国際言語でありますから、英語で自らの考え、意見を発信し、外国人と堂々と議論できる能力が求められます。そのためには初等教育から国語と並んで英語、それも読み書きだけではなく聴き話す能力を身に付けさせることが肝要だと考えます。

第二に、発信する内容が傾聴に値するものでなければなりません。いくら英語が上手でも、話す内容が聴くに値するものでなければ誰も耳を傾けてくれないでしょう。傾聴に値することを話すためには、平生から広い教養を身に付け、自らよく考え、独創力を磨き、物事について自らの考え、意見をしっかりと持つことが肝要です。

第三は、異文化への理解力です。グローバルビジネスの現場では、異文化の中で育った様々な人々と一緒に仕事をしなければなりません。そこで、それらの人々の文化的背景を良く知らないと、彼らの言動を理解することができず、無用な摩擦を生じ、仕事が円滑に捗りません。そこで、外国人と接する際には、その人の文化的背景を良く勉強し、理解し、多様性(ダイバーシティ)を包容することが肝要です。

ただ、私はグローバル人材の育成については全く悲観しておりません。なぜならば、次代を担う若者達の中には、帰国子女をはじめ、何らかの形で海外経験を有している者も多く、グローバル人材の素材は増えつつあるように思うからです。そうした若者達が更に良く勉強して、広い教養と独創的な思考力を身に付け、日本人としてのアイデンティティもしっかりと保ちながら、外国の文化も理解し、外国人から注目され、尊敬されるグローバル人材に育っていくことを期待し、その育成に本学会が大きく貢献されることを心より祈っております。