「トランプの新南北戦争」 アメリカだより(2) 霍見芳浩氏(ニューヨーク在住会員)

現在ニューヨークに在住の霍見芳浩会員より、アメリカだより(2)「トランプの新南北戦争」が届きましたので掲載します。
最新の生々しい情報満載ですのでご一読いただければ幸いです。

アメリカだより(No.2)                    2019年2月15日
「 トランプの新南北戦争」                       霍見芳浩
  汚職まみれの閣僚とスタッフと共にトランプ大統領の米国民主主義破壊が止まらない。大統領就任以来、これまで2年間、一日平均4回の嘘は、今では、7回から10回へと飛躍。彼が、知ったかぶりに毎日乱発するツイッターや発言にはまともなメデイアは必ず「嘘」, 「事実根拠なし」の判定をつける。民主主義の基盤が、言論の自由だが、これは、嘘や強弁は何でも自由ということではない。安倍首相が、自民党大会で「悪夢のような民主党政権時代」と言ったが、これを「言論の自由」だとして、取り消さないとか。トランプ並みの傲慢と無知でリーダー失格。独立行政法人化大学と技術革新力衰退と共に、安倍日本の国際信用は低下の一途。
1月29日に予定されていた、連邦議会での大統領のThe State of the Union演説は (「合衆国の現状」、日本では、「年頭教書」と誤訳されたまま)、「大統領による連邦政府機能停止中は、連邦議事堂には招けない」とナンシー・ペロシ下院議長に、拒否され、連邦政府機能再開後の2月5日に許された。90分のトランプ独演節は、嘘八百の羅列。その中でも、日本に影響のあるものと言えば、「俺が、大統領になっていなければ、北朝鮮との核戦争が始まっていた」と言う世界観。事実は全く逆。オバマ前大統領時代は、北朝鮮との核戦争を回避していたのに、トランプになってから、金正恩を「ロケットマン」と国連演説でも冷やかし,「核ミサイル発射ボタンを押す俺の指はお前の指より太い(指の太いのは、男子の一物も太いとの迷信がある)」と金正恩を挑発し、金正恩の核と大陸間弾道弾ミサイル開発と日米脅迫示威行為となった。自信をつけた金正恩は、昨年6月にトランプとの会談を仕掛け、トランプに「北朝鮮は朝鮮半島の非核化に同意」と思い込ませた。事実は、北朝鮮は核とミサイルの開発を強化し、日米韓への先制核攻撃力を増している。これは、2月27日ハノイでの金正恩・トランプ会談でも変わらない。トランプの「金正恩説得」の大ボラは拡大。金とプーチンのトランプ操作が深まる。
日々に再選を危ぶまれ、内外政策に誇れる物がないから、トランプは「中南米からの不法移民急増の危機」をデッチ上げ続け、米国民間の有色人種偏見を掻き立て、南部白人と北部の心情的南部白人(多くが、高卒以下の低学歴農民と鉱山と工場労働者)の「救世主」の演技で逃げ込みを図る。このために、2月5日の「合衆国の現状演説」では、「エル・パソ市(テキサス州とメキシコの国境の都市)では、俺が、国境に壁を作る以前は、凶悪犯罪が多かった。しかし、壁が出来てからは、凶悪犯罪が急減し、今では、全米でも、最も安全な都市」と公言。この嘘は、演説が終わらない内にメデイアが競ってあばいた。エル・パソ市警の統計では、脅迫犯罪激減は、国境壁完成以前のことで、しかも、この壁は、オバマ大統領時代のもの。トランプは2月11日に、エル・パソで「壁を作れ(白人優先の暗号)」の大会でアジ演説(トランプ発表では、3万人、市警の発表では7千人でエル・パソ市民は少なし)をしたが、エル・パソ市民団体は「反トランプ大行進と大会」に一万余人を集めた。2月15日、トランプは、連邦政府機能再停止をあきらめ、「国境での緊急国難」を叫び、軍事費の独断流用で、「壁を作る」と憲法違反の宣言。

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